2023年9月16日 イナズマイレブン
英雄たちのヴィクトリーロード
『PV3解説』

笹波雲明・主人公として

かつてない主人公像。暗い!陰湿!こんな主人公好きになれるの…?と思われそうです。ですが、なれます!そしてサッカーものなのに、サッカーが出来ないという過激な設定。見ている人がキャラを好きになれるかどうかは、いいやつかどうか?ではなく、感情移入できるかどうか。雲明の置かれる状況は、誰もが一度は体験するジレンマなのです。皆さんはありませんでしたか?絶対に欲しいけど、絶対に手に入らないもの。絶対になりたいけど、絶対になれないもの。人はそれをどこかで諦めます。ですが、雲明には諦められませんでした。泣いてわめいて、もがくのです。そんな彼は、自分の思惑とは違うところで、周りを魅了していきます。「サッカーやろうぜ」に応えることが出来ない主人公は言います。「君にはサッカーができる」と。

円堂ハル・新機軸の人格

円堂守の息子、円堂ハルですが、PV3で皆さんの目には、どんなキャラに映ったでしょう。彼は言いました。「サッカーってさ、つまんなくない?」。ねえよ!と突っ込まないといけないところですが、この一言が彼を完全に表現できていると思っています。究極的な天賦の才を持ったハルには、努力してことを乗り越える者の心情が理解できません。過去のイナズマイレブン全キャラクターを否定するキャラなのです。父親すらも否定することになりますね。それに対して、泥沼とも言える人生から這い上がろうとする笹波雲明。この二人が出会ったらどうなるのでしょう。どう影響し合うのでしょう。実は、この二人が対決するのは、なんと初戦!正確には、南雲原中の公式試合の初戦となります。なんで?雷門とは決勝でしか当たれないのでは!?と思うでしょうが、それは…物語の展開をお楽しみに。天才VS戦略。頂点VS底辺。どんな戦いになるのか、初っ端から目が離せない感じになりますよ!

こだわりのキャスティング・
声優オーディション

主人公の二人を決めるために35人に及ぶ大オーディションを行いました。今回は声優のネームバリューには一切頼らず、キャラクターに合っているかどうかのみでキャスティングすることにしました。超ドラマ重視です。自分の中では、雲明とハルには、シナリオを書きながら、頭の中でしている『声』があり、その声を探しました。ひたすらに…。オーディション中盤を過ぎたあたりで、もう無理なので、この辺で妥協するしかないか…と諦めかけたときでした…。現れました!円堂ハルが!そして、笹波雲明が!皆さん、雲明とハルの声、どうでしたか?これから、二人と一緒に、新しいイナズマイレブンの世界を構築していくのが楽しみです。今PV3に出ているキャスティングは全てTGS会場にて発表しますので、予想して待っていてください。主人公二人はイナズマウォーカーに出演してくれますしね。ぜひ会場に遊びに来てくださいね!

笑顔がゴール!

今回はこのテーマ曲『笑顔がゴール!』を生み出すために、結果、主題歌チームには、10曲を書いてもらうことになってしまいました。度重なる「なんか違う」攻撃に、よくまあ耐え抜き、完成させてくれました。感謝です!彼らとは、イナズマ1のときからの長い付き合いで、ずっと一緒に曲を作ってきました。「立ち上がリーヨ」とか「青春おでん」とか(笑)古くからの戦友にだからこそ言えるワガママ。過去のイナズマの曲たちに絶対に負けるものにはしたくないということで、こだわり抜きました。そしてその歌詞は、まるで難航したプロジェクトを歌っているかのよう。この作品にふさわしい1曲。皆さんも最低100回は聴いてくださいよ!そして、TGS会場でTピスと一緒に歌ってください!

新試合システム・技はどうなる?

PV3でのゲーム画面では、技ではないプレイが光っているシーンが多く収録されています。ここで、今回のヴィクトリーロードでは、技があまり使えなくなるのでは?と懸念の声もあるでしょう。心配はご無用です。バンバン出ます(笑)。感覚としては、今までよりも、技を「大事に使う」イメージです。技を、ただ「パワー」の象徴として使うのではなく、「戦術」として使わせたいのです。いつ使うのか、どれを使うのか、それを試合の中の戦略として組み立てさせたいですね。

舞台は長崎

今回、長崎が舞台ということを決めた時点で、自分も九州人なので、方言の使用を検討しました。地方編では、けっこう味が出そうではありましたが、全国に行く辺りで、関東のキャタクターと話すとき、どうしても違和感が生まれてしまい、やはり標準語でのセリフでいくことにしました。そう言えば、円堂守編で、九州に行くときも同じように悩みましたね。陽花戸中とか。長崎における細部の設定は、現役長崎人には「違う!」と言われそうですが、スタッフの中の長崎人はいい感じだと言ってました。長崎の人には「違うけど、あーわかる、わかる」と言ってもらえるかと。聖地巡りは具体的なモチーフ地名をはっきりとさせてないので、難しいですが、できなくはないかもしれません(笑)

今回のラストシーン

今回の物語ですが、かなり過激な内容ながら、すごくいいものが完成しました!作った側の自画自賛、よくないですが、かなりの満足感であることはアピールしてはおこうかと。僕は、過去のほぼ全てのレベルファイブ作品の企画、世界観設定、メインシナリオを担当してきましたが、毎度いいものになったと言い切れるわけではなく、納得して出せないことも多々あります。大きなプロジェクトでの『ものづくり』っていろんな要素が絡んでくるから本当に難しい。でも今回は自信作!じっくりと考え、自分らしさを爆発させ、かつ、ファン視点のアイデアも取り入れ、バランスのいいものをつくることができたと自負しています。書きながら泣けるときがたまにあるんですが、『レイトン教授と最後の時間旅行』のラストとか『黄名子とフェイ』のくだり、とか。そのときは、泣きながら、ちょいヤバいやつだな自分…ってなるわけですが、今回はそんな満足度。きっとラストシーンで唸ってもらえます。本作のストーリー作業の終わりが見えてきたあたりで、作品づくりはやっぱ楽しい!「また、みんなを驚かす作品をつくっていきたい!」と心から思えました。それもたくさんの人に支えられ完成された『イナズマイレブン』という怪物作品の懐の広さのおかげです。イナズマイレブンとファンの皆さんにマジで感謝!

発売日について

皆さんの気になる点はやはりここだと思いますが、開発は簡単に言うと、順調だけど、おしています。どういうこっちゃ?ですよね。そもそも遅れていたら、順調とは言わないですしね。でもあえて言わせてください。遅れていても順調です!今の状況を伝える、一番的を得た表現だと思っています。一切、妥協したくないし、完全なものを出したいですから。遅れても絶対に失望させないものを出すつもりです。現在、ゲームの全貌が見えてきてやるべきことが明確になり、スタッフのモチベも爆上がりしています!発売日をできる限り早く発表できるよう頑張りますので、皆さんもう少しの辛抱をお願いします!一旦出たら5年くらい遊べるものをつくるのが目標です。あ、ハードが変わってしまうか…。